2022.08.24
社会保険
社会保険を元にした生命保険加入②-2もしもの場合の遺族生活資金
②もしもの場合の遺族生活資金
前回は、国民年金(基礎年金)のお話でしたが、今回は厚生年金です。一家の大黒柱の方が亡くなった場合、厚生年金の遺族厚生年金はどれくらいでるのか?です。
まず、遺族厚生年金は「老齢」厚生年金の4分の3支給されます。この4分の3というのは75%ですが、ファイナンシャルプランニング、ライフプランニングの考え方でも主に収入を稼いでいる人が亡くなった場合は、それまでの70%程度として遺族生活費を考えますので妥当な割合です。
ちょっと難しいかもしれませんが、老齢厚生年金の支給額の計算式が以下です。
平均標準報酬月額×7.125÷1000×保険加入期間の月数(2003年3月まで)
プラス平均標準報酬額×5.481÷1000×保険加入期間の月数(2003年4月以降)
平均標準報酬月額、平均標準報酬額というのは厚生年金に加入していた期間の給与等を平均した1月分です。なぜ、〇〇報酬月額と〇〇報酬額、7.125と5.481と2003年3月前後で変化したのでしょうか?
これは、2003年3月までは給与等は給与のみでボーナスを加えていなかったのですが、4月以降はボーナスを加えて平均をとるようになったのが理由です。
いずれにしても7.125の定数が5.481になったので
例えばその方の〇〇標準月額が30万円の場合、30万円×7.125÷5.481=389,983円
つまり、〇〇標準額つまりボーナスを含んで平均したものは89,983円、1年だと約108万円。
ここが超重要だと思います。計算方法が変わって得する人と損する人を見分けるのにです。
新しい計算式ではそれ以前と同じ年金をもらうためには、前提としてそれまで(2003年3月まで)ボーナスが1年で108万円以上もらっていた人、または4月以降にそれ以上のボーナスをもらっている人です。
もしボーナスを1年で50万円しかないよとか、ボーナスそもそももらってないよという人であれば7.125を5.481に下げられたことによって計算した額が下がってしまうので、それにつれて支給される年金も下がってしまうことになります。
いずれにしても上記の計算式によって支給される年金がわかります。
また「年金定期便」があれば、ある程度の支給額がわかります。
最後に「保険加入期間の月数」は多いほど支給額が多くなるのですが、若い方はどうでしょうか?仮にその方が大卒の新入社員ですぐに結婚されて妻子がある方だとどうなるのでしょうか?ご遺族はほとんど遺族年金もらえないのでしょうか?
安心してください。この月数には最低保障というのがあって、どんなに少なくても300月(25年)は保障されています。
例えば2022年4月現在40歳の会社員、入社2004年4月、平均標準報酬額が33万円だとすると
33万円×5.481÷1000×(2022-2004)×12=390,685円。。。ではなく
33万円×5.481÷1000×300=542,619円となります。
また特定の子がいなくて遺族基礎年金が受けられない40歳から65歳までの妻は「中高齢寡婦加算」といって583,400円(年額)が加算されます。
以上遺族厚生年金のお話でした。次回は労災保険からの遺族年金をお伝えします。